1960

1960 – 1975

再征服

1940年代初頭以降、商業の場がロンドンとパリからニューヨークに移ります。「ケネディーの時代」、視線はアメリカ大陸に注がれました。

パリとニューヨークはお互いに惹き合い、魅了し合い、その一方で、クリエイティブ面での豊かさが共有された時代。 アメリカ大陸からダイナミックなフォルムが誕生し、情熱的な高まりを見せたのです。

モチーフは非常に承継的になりました。曲線的で強いカラーを用いた鳥や花がアクセサリーを彩ります。 当時最も活躍したクリエーターの一人ルネ・ラカーズは、カラフルなイメージで抜きんでています。彼はモーブッサンで非常に活躍し、しばしばトーンを加えた存在でした。カットや彫刻が施されたカラフルな貴石やカボションを用いた色彩豊かなアレンジが、暖かみのあるスタイルの特徴になりました。 ターコイズとサンゴが、色彩のパレットを多様化させました。 これは、若干移り気な楽しみや、ある程度の寛容さを持った性質を表現する方法だといえるでしょう。 長い間姿を消していたエナメルもこの時代に復活しました。

トーンにニュアンスを加えることができることから、エナメルはメゾンが好みシンボル的なモチーフにもなったアルルカンの衣装のひし形模様を描くために使用されるようになります。 アルルカンは夜でもあり、祝宴や笑い、音楽、軽さ、友情、愛でもあるのです。つまり、彼は楽しさと喜びの雰囲気を伝える存在なのです。

ひし形、三角形、ディアボロは、シリーズとしてブローチやネックレス、ブレスレットに繰り返し取り入れられるようになります。

「1968年」は、自由を主張した年でした。感情の自由、幸福と幸せのハーモニーが追求されました。 フォルムが再考され、高級ジュエリーであることが再認識されました。挑発的な側面が分裂したり非対称なフォルムで表現されたのです。 有名な「土への回帰」といった新しいアイディアが、アフリカ産の木やマラカイト、象牙といった素材を誕生させました。

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